「今のカードより年会費が安いカードを見つけた」「ポイント還元率が高いカードに変えたい」「付帯サービスが合わなくなった」。法人カードの切り替えを検討する理由は様々ですが、切り替え時の手順を間違えると、経費の支払いが一時的に止まったり、定期払いが未払いになったりするリスクがあります。
この記事では、法人カードを安全に切り替えるための手順と、見落としがちなチェックポイントを解説します。

カード切り替えの基本手順
手順1:新しいカードを申し込む
まず新しい法人カードを申し込み、審査の通過とカードの到着を待ちます。旧カードの解約は、新しいカードが届いて利用開始できることを確認してから行います。この順番が非常に重要です。
手順2:定期払いのカード情報を変更する
旧カードで登録している定期支払い(サブスクリプション、光熱費、通信費、広告費など)のカード情報を、新しいカードの番号に変更します。利用中のサービスを一覧にして、1つずつ確実に切り替えましょう。
手順3:会計ソフトの連携を更新する
会計ソフトに旧カードを連携していた場合は、新しいカードの情報に更新します。旧カードの連携は解約後もしばらく残しておき、未計上の取引がないか確認してから削除しましょう。
手順4:社内への周知
追加カードを社員に持たせていた場合は、新しいカードの追加カードを社員に配布し、旧カードを回収します。回収漏れがないよう、カード番号のリストで管理しましょう。
手順5:旧カードのポイントを消化する
旧カードに残っているポイントは解約すると失効します。キャッシュバック、マイル交換、商品交換などで使い切ってから解約しましょう。
手順6:旧カードを解約する
すべての移行が完了したことを確認してから、旧カードのカード会社に連絡して解約手続きを行います。
定期払いの切り替えは、新しいカード情報がサービス側に反映されるまで数日かかることがあります。旧カードの解約は、すべての定期払いが新カードで正常に決済されたことを1回の請求サイクルで確認してから行うのが安全です。

切り替え時のチェックリスト
| チェック項目 | 詳細 | 完了 |
|---|---|---|
| 新カードの申込・受取 | 審査通過とカード到着を確認 | □ |
| 定期払いの移行 | サブスク・公共料金等の登録カード変更 | □ |
| 会計ソフトの連携更新 | 新カードの連携設定 | □ |
| 追加カードの配布・回収 | 社員への新カード配布と旧カード回収 | □ |
| ETCカードの移行 | 新カードでのETCカード発行と旧ETC回収 | □ |
| ポイントの消化 | 旧カードの残ポイントを利用 | □ |
| Apple Pay等の更新 | スマホ決済の登録カード変更 | □ |
| 定期払いの正常決済確認 | 新カードで1サイクル分の正常決済を確認 | □ |
| 旧カードの解約 | 上記すべて完了後に解約 | □ |
| 旧カードの物理的破棄 | ICチップ・磁気ストライプを切断して処分 | □ |
同じカード会社内でのランクアップ
同じカード会社内で一般カードからゴールドカードへ、ゴールドからプラチナへアップグレードする場合は、切り替えがスムーズです。カード番号が変わらないケースもあり、定期払いの移行作業が不要になることがあります。
ランクアップの場合は、カード会社に直接相談すれば、手続きの流れや番号変更の有無を教えてもらえます。たとえば三井住友カードの場合、法人カードのランクアップは電話一本で手続きでき、カード番号はそのまま引き継がれるため、サブスクや定期払いの変更作業が不要です。JCBの場合も同様に、同ブランド内の切り替えであれば番号変更なしで対応してくれるケースが多いです。
代表者変更時の手続き
代表者の交代に伴う法人カードの手続きは、解約ではなく「名義変更」として処理されます。カード会社に連絡し、新代表者の情報を提出して審査を受ける流れです。審査に通過すれば、新代表者名義のカードが発行されます。
ただし、代表者変更に伴いカード番号が変わることが多いため、定期払いの登録変更は必要になります。代表者変更の審査には1〜3週間かかるのが一般的で、この間は旧代表者名義のカードが引き続き使えるケースが多いです。新カードが届いてから旧カードの利用を停止するという流れになるため、経費の支払いに空白期間ができることは基本的にありません。
よくある質問
Q. 切り替え中に両方のカードを持っていても問題ないですか?
はい、移行期間中に新旧2枚のカードを持つことは問題ありません。むしろ、移行が完了するまで旧カードを保持しておくべきです。
Q. 切り替え後に旧カードの年会費は返金されますか?
原則として、既に支払った年会費は返金されません。解約のタイミングは年会費の発生日直前が最もお得です。
Q. 旧カードの利用履歴は新カードに引き継がれますか?
異なるカード会社間では利用履歴は引き継がれません。同じカード会社内のランクアップの場合は、利用履歴が引き継がれるケースがあります。
Q. 切り替え期間はどのくらい見込めばいいですか?
新カードの申込から旧カードの解約まで、余裕を持って1〜2カ月程度を見込んでおきましょう。定期払いの正常決済を1サイクル確認してからの解約が安全です。
Q. 切り替え中に審査に落ちたらどうなりますか?
新カードの審査に落ちた場合は、旧カードを継続して利用するか、別のカード会社に申し込みましょう。旧カードを先に解約していなければ、決済が止まることはありません。

Q&Aコーナー

Q. 旧カードのポイントを新カードに移行できる?
同じカード会社内であればポイントが引き継がれるケースがありますが、異なるカード会社間ではポイントの移行はできません。切り替え前にポイントを使い切るか、マイルや商品券に交換しておきましょう。
Q. 新カードの審査期間中に旧カードを使い続けても問題ない?
はい、問題ありません。旧カードの契約は解約するまで有効なので、新カードの審査中も通常通り使い続けてください。むしろ、新カードが届くまで旧カードを維持しておくのが安全です。
Q. カード会社を変えると信用情報に影響する?
旧カードの解約自体は信用情報にネガティブな影響を与えません。ただし、短期間で複数のカードに申し込むと「多重申込」として審査に影響する可能性があります。切り替えは1社に絞って行いましょう。
Q. ETCカードの切り替えで注意すべきことは?
新カードに紐づくETCカードが届くまで、旧ETCカードを使い続けることが可能です。ただし、旧カード解約後は旧ETCカードも無効になるため、新ETCカードの到着を確認してから旧カードを解約しましょう。車載器への挿し替えも忘れずに行ってください。
Q. 切り替え時に一時的に2枚分の年会費がかかる?
移行期間中は新旧両方のカードを保持するため、タイミングによっては2枚分の年会費が発生することがあります。旧カードの年会費発生月の直前に新カードを申し込み、年会費が発生する前に旧カードを解約するのがコスト面では最適です。
まとめ
法人カードの切り替えは、「新カード取得→定期払い移行→正常決済確認→旧カード解約」の順番で進めるのが鉄則です。チェックリストを活用して漏れなく移行作業を行い、定期払いの正常決済を1サイクル確認してから旧カードを解約しましょう。移行期間は1〜2カ月を見込み、余裕を持ったスケジュールで進めることが成功のポイントです。

