高速道路を使う事業者にとって、ETCカードは必須のツールです。しかし、ETCカードの年会費や発行手数料が積み重なると、車両台数が多いほどコストがかさみます。実は、ETCカードの年会費も発行手数料も完全無料で作れる法人カードが存在します。
この記事では、ETCカードを無料で発行できる法人カードの選び方や、法人ETCカードの種類の違い、経費管理のコツまで詳しく解説していきます。

法人ETCカードの3つの発行方法
法人としてETCカードを取得する方法は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴と費用を比較してみましょう。
法人クレジットカード付帯型
法人クレジットカードの追加オプションとしてETCカードを発行する方法です。発行手数料・年会費が無料のものが多く、コスト面では最も有利です。カード利用時にポイントが貯まるため、高速道路料金の支払いでもポイント還元が受けられます。
ETC協同組合発行型
高速情報協同組合やETC協同組合が発行するETCカードです。クレジットカードの審査に通りにくい事業者でも発行しやすいのが特徴ですが、カード発行手数料や保証金が必要になるケースがあります。また、マイレージやポイント還元がないのがデメリットです。
ETCコーポレートカード(NEXCO発行)
高速道路会社(NEXCO)が発行する大口利用者向けのETCカードです。月間の利用額に応じて最大30%〜40%の大口割引が受けられるため、月間の高速道路利用額が高額な事業者には大きなメリットがあります。ただし、車両1台につき1枚の紐づけが必要で、他の車両では使えません。
月間の高速道路利用額が3万円を超える車両が複数ある場合は、ETCコーポレートカードの大口割引が有利です。それ以下の利用額なら、法人クレジットカード付帯型でポイントを貯めるほうがお得になります。
ETCカードが無料で作れる法人カードの条件
ETCカードを完全無料で発行するには、以下の3つの条件をすべて満たすカードを選ぶ必要があります。
カード本体の年会費が無料または低額
ETCカード自体が無料でも、本体の法人カードに高額な年会費がかかっては意味がありません。年会費永年無料、または条件付きで無料になるカードを選びましょう。
ETCカードの発行手数料が無料
一部のカードではETC初回発行時に手数料がかかります。JCBの法人カードのようにETCカードの発行手数料・年会費ともに無料のカードが理想的です。
ETCカードの年会費が無料
発行手数料は無料でも、毎年の年会費がかかるカードもあります。長期で使うことを考えると、ETCカードの年会費も無料であることが重要です。
| 条件 | チェック内容 |
|---|---|
| カード年会費 | 無料 or 条件付き無料 |
| ETC発行手数料 | 0円 |
| ETC年会費 | 0円 |
| 発行可能枚数 | 必要な車両台数分を発行可能か |

ETCカードの発行枚数に注意
法人カードによって、ETCカードの発行可能枚数は異なります。車両が多い事業者にとっては、発行上限があるかどうかが重要な選定ポイントです。
JCBの法人カードはETCカードの発行枚数に上限がなく、必要な台数分を自由に発行できます。一方、セゾンコバルト・ビジネス・アメックスは最大5枚までという制限があるため、車両台数に応じて選ぶ必要があります。
ETCマイレージサービスとの併用
ETCカードを発行したら、ETCマイレージサービスへの登録も忘れずに行いましょう。ETCマイレージサービスに登録すると、高速道路の利用額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは通行料金に充当できます。
たとえばNEXCOの場合、10円につき1ポイントが付与され、5,000ポイントで5,000円分の還元が受けられます。法人カードのポイント還元と合わせると、高速道路の実質負担額をさらに下げることが可能です。
ETCカードの経費管理テクニック
複数のETCカードを運用する場合の経費管理について、効率的な方法を紹介します。
車両ごとにカードを紐づけて管理
車両番号とETCカード番号を対応表にしておくと、誰がいつどのルートを通ったかが一目瞭然になります。走行ルートの最適化やガソリン代の妥当性チェックにも活用できます。
利用明細と会計ソフトの連携
法人カード付帯型のETCカードなら、利用明細がクレジットカードの明細に合算されます。会計ソフトと連携していれば、高速代の仕訳も自動化できるため、経理担当者の手間が大幅に減ります。
ETC利用照会サービスで走行履歴を確認
ETC利用照会サービスに登録すると、過去62日間の走行履歴をオンラインで確認できます。日付・入口IC・出口IC・料金の詳細が確認できるため、社員の走行ルートが適切かどうかのチェックにも使えます。
ETCカードを社員に貸与する場合、私的利用(通勤やプライベートでの使用)を禁止するルールを明文化しておきましょう。利用明細に業務と無関係なICの記録があれば、私的利用の発覚につながります。

ETC2.0のメリット
近年普及が進んでいるETC2.0にも触れておきます。ETC2.0対応の車載器を使えば、高速道路上のさまざまな情報をリアルタイムで受信できるほか、圏央道の料金割引など追加のメリットがあります。
法人車両でETC2.0に対応させるかどうかは、高速道路の利用頻度と対応車載器の導入コストを比較して判断しましょう。頻繁に高速を使う事業者であれば、割引効果で車載器の費用は比較的早く回収できます。
よくある質問
Q. 個人事業主でも法人用ETCカードは作れますか?
はい、個人事業主でも法人カード付帯型のETCカードは申込可能です。屋号付きの口座がなくても、個人名義で申し込める法人カードもあります。
Q. ETCカードを紛失した場合の対応は?
すぐにカード会社に連絡して利用停止の手続きを行い、その後再発行を依頼します。再発行には1〜2週間ほどかかることが一般的です。カード会社によっては再発行手数料がかかる場合もあります。
Q. 1台の車で複数のETCカードを使い分けることはできますか?
はい、ETCカードは車載器に差し替えるだけで切り替えられます。車両の私用と業務用で使い分けたい場合は、個人用と法人用のETCカードを使い分けることも可能です。ただし、ETCコーポレートカードは車両に紐づいているため、他の車両では使えません。
Q. 深夜割引や休日割引はETCカードの種類に関係なく適用されますか?
はい、深夜割引(0時〜4時、30%割引)や休日割引は、ETCカードの種類に関係なく、ETC車載器での走行であれば適用されます。法人カード付帯型のETCカードでも問題なく割引が受けられます。
Q. ETCカードのポイントとカードのポイントは別ですか?
法人カード付帯型のETCカードの場合、ETC利用分もカードの通常ポイントとして付与されます。これとは別に、ETCマイレージサービスのポイントも貯まるので、二重にポイントが獲得できます。
まとめ
法人カード付帯型のETCカードは、発行手数料・年会費ともに無料で作れるものが多く、コスト面で最も有利な選択肢です。クレジットカードのポイント還元に加えてETCマイレージサービスのポイントも貯まるため、高速道路の実質負担を大幅に減らせます。
車両台数が多い事業者は発行可能枚数の上限を確認し、車両ごとのカード紐づけによる管理体制を整えましょう。月間の高速利用額が大きい場合は、ETCコーポレートカードの大口割引も比較検討する価値があります。

