出張の多い経営者にとって、法人カードで経費を支払いながらマイルが貯まれば、出張費用の大幅な削減が可能です。年間500万円の経費をマイル還元率1%のカードで支払えば、年間5万マイル。国内線の往復チケット3〜4回分に相当します。
この記事では、ANA・JALそれぞれのマイルが貯まる法人カードの仕組み、効率的な貯め方、注意点を解説します。

マイルが貯まる法人カードの2つのタイプ
ポイント移行型(ANAマイル向き)
カード利用で貯まったポイントを、ANAマイルに移行する仕組みです。ANAマイルを貯める場合は、ほぼすべてがこのポイント移行型になります。ポイントの有効期限内にマイルに移行する手続きが必要です。
直接マイル付与型(JALマイル向き)
カード利用額に応じて、直接JALマイルが付与されるタイプです。JALカード系の法人カードがこのタイプに該当し、移行手続きが不要なため手間がかかりません。
ANAマイルを貯めるのに適した法人カード
ANA JCB法人カード
年会費が比較的安くANAマイル還元率が1%と高いのが特徴です。ANA便の搭乗時にはフライトマイルに加えてボーナスマイルも付与されるため、出張でANAをよく利用する方には最適です。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
メンバーシップ・リワードのポイントをANAマイルに移行できます。ANAだけでなく、JALを含む複数の航空会社のマイルに交換できる柔軟性が強みです。年会費は高めですが、出張頻度の高い事業者にはそれに見合う価値があります。
JALマイルを貯めるのに適した法人カード
JALカード法人用
JALマイルを直接貯められる法人カードです。ショッピングマイルプレミアムに加入すると、100円=1マイルの高還元率になります。JAL便の搭乗時にはフライトマイルに加えてボーナスマイルも付与されます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス
SAISON MILE CLUBに登録すると、JALマイル還元率が最大1.125%という非常に高い水準になります。プラチナカードの付帯サービス(空港ラウンジ、コンシェルジュなど)も充実しており、総合力の高い1枚です。

マイルを効率的に貯める5つのコツ
すべての経費をカード払いに集約する
マイル還元の基本は利用額です。仕入れ、広告費、光熱費、通信費、備品購入など、カード決済可能なすべての経費をカードに集約しましょう。
マイル移行手数料に注意する
ポイント移行型の場合、マイルへの移行時に年間数千円の手数料がかかるカードがあります。この手数料を含めた実質的なマイル還元率で比較することが大切です。
フライトマイルとの二重取りを狙う
カード決済によるショッピングマイルと、搭乗時のフライトマイルは別々に貯まります。航空券の購入をマイルが貯まるカードで決済すれば、二重にマイルを獲得できます。
マイルの有効期限を管理する
ANAマイルの有効期限は搭乗月から36カ月後の月末、JALマイルも搭乗日から36カ月後です。期限切れでマイルを失効させないよう、定期的に残高と期限を確認しましょう。
特約店・ボーナスポイントを活用する
カード会社が指定する特約店での利用時に、通常の2倍以上のポイントが付与されることがあります。よく利用する店舗が特約店に含まれていないか確認してみましょう。
マイル還元率の比較では、カード年会費やマイル移行手数料を含めた「実質コスト」で判断することが重要です。表面的な還元率が高くても、手数料で相殺されてしまうケースがあります。
貯めたマイルの使い方
特典航空券への交換
最もお得な使い方は特典航空券への交換です。国内線なら往復10,000〜15,000マイル程度で交換でき、国際線ビジネスクラスに交換すると1マイルあたりの価値が大幅に上がります。
座席のアップグレード
エコノミーからビジネスクラスへのアップグレードにマイルを使えば、出張時の快適性が大幅に向上します。長距離の国際線では特に効果的です。
電子マネーやポイントへの交換
マイルを電子マネーやポイントに交換することもできますが、1マイルあたりの価値は航空券に比べて低くなります。具体的には、特典航空券に交換した場合の1マイルの価値は2〜5円相当ですが、電子マネーに交換すると1マイル=1円程度に下がります。マイルの有効期限が迫っている場合の最終手段として考えましょう。
提携ホテルのポイントへの交換
ANAマイルやJALマイルは、提携ホテルチェーンのポイントに交換することもできます。出張先の宿泊費を実質無料にできるため、出張が多い経営者にとっては検討する価値があります。交換レートはホテルチェーンによって異なるため、普段よく利用するホテルの提携状況を確認しておくと便利です。
よくある質問
Q. ANAとJALのマイルは相互交換できますか?
ANAマイルとJALマイルを直接交換することはできません。それぞれ独立したマイルプログラムのため、どちらかに集中して貯めるか、両方に対応するカードを選ぶ必要があります。
Q. マイルの有効期限を延長する方法はありますか?
ANAやJALの上級会員(ダイヤモンド、プレミアなど)はマイルの有効期限が延長される場合がありますが、一般会員は36カ月で失効します。期限内に使い切るか、ポイントの状態で保有しておき、必要な時にマイルへ移行する方法が有効です。
Q. 法人カードで貯めたマイルを社員が使ってもいいですか?
法人カードのポイントから移行したマイルは法人に帰属します。社員が個人的に使うことは原則としてできません。出張費の削減に充てるのが適切な使い方です。
Q. LCCでもマイルは貯まりますか?
LCC(格安航空会社)の搭乗ではフライトマイルは貯まりません。ただし、LCCの航空券をマイルが貯まる法人カードで購入すれば、ショッピングマイルとしてポイントは付与されます。
Q. マイルを貯めるか、ポイント還元を重視するか、どちらがお得ですか?
出張で飛行機を年に数回以上利用するならマイル、ほとんど飛行機に乗らないならポイント還元(キャッシュバック)のほうがお得です。マイルは特典航空券に交換した時に最も価値が高くなるため、使い道がある場合に限って有利です。

Q&Aコーナー

Q. マイルの移行手続きはどのくらい時間がかかる?
ポイント移行型の場合、申請からマイルの反映まで1〜2週間かかるのが一般的です。特典航空券を予約したいタイミングに合わせて、余裕を持って移行手続きを行いましょう。
Q. 家族旅行に法人カードで貯めたマイルを使ってもいい?
法人カードのポイントから移行したマイルは法人に帰属するため、個人的な家族旅行への使用は適切ではありません。出張費用の削減に充てるのが本来の使い方です。個人利用した場合は、役員貸付金などの会計処理が必要になります。
Q. マイルを貯めるのに最低限必要な年間経費はいくら?
国内線の特典航空券が往復10,000〜15,000マイルで交換可能なことを考えると、還元率1%のカードなら年間150万円以上の経費でマイルを貯める意義が出てきます。年間100万円未満であれば、キャッシュバックのほうが実用的です。
Q. ANAカードとJALカードの両方を持つのはアリ?
マイルが分散してしまうため、基本的には1つの航空会社に集中させるのがおすすめです。ただし、路線の関係で両方を使う頻度が高い場合は、メインとサブを決めて2枚持ちするのも戦略としては有効です。
Q. 特典航空券の予約が取れないことはある?
特典航空券には座席数の制限があり、特に繁忙期(GW・お盆・年末年始)は予約が取りにくくなります。特典航空券の予約は搭乗日の2カ月前から受付開始されるのが一般的なので、早めの予約を心がけましょう。
まとめ
法人カードでマイルを貯めるには、ANAマイルならポイント移行型、JALマイルなら直接付与型のカードを選ぶのが基本です。すべての経費をカード払いに集約し、フライトマイルとの二重取りを狙うことで、効率よくマイルが貯まります。
貯めたマイルは特典航空券への交換が最もお得な使い方です。マイルの有効期限は36カ月が一般的なので、計画的に貯めて計画的に使う意識を持ちましょう。

