事業規模が大きくなると、法人カードの利用限度額が足りなくなることがあります。広告費や仕入れ、設備投資など、月に数百万円単位の決済が必要になるケースも珍しくありません。
この記事では、限度額が高い法人カードの特徴や、限度額を引き上げる方法について解説します。事業拡大に合わせたカード選びの参考にしてください。

法人カードの限度額の目安
法人カードの限度額は、カードのグレードによって大きく異なります。
- 一般カード:10万~100万円程度
- ゴールドカード:50万~300万円程度
- プラチナカード:100万~500万円程度
- ブラック・特別カード:一律の上限なし
ただし、これらはあくまで目安であり、実際の限度額は申込者の信用状況や事業の実績によって個別に設定されます。同じカードでも、企業によって異なる限度額が設定されることは珍しくありません。
月々の大きな支払いに備えるうえでは、資金繰りの考え方を一冊で押さえておくのも一つの方法です。
限度額に一律の上限がない法人カード
大きな決済が必要な企業に注目されているのが、「一律の利用限度額なし」を掲げるカードです。
アメックスビジネスゴールド
一律の限度額を設けていないのが最大の特徴です。利用状況やカード会員の支払い実績に応じて、柔軟に利用可能額が調整されます。急に大きな決済が必要になった場合も、事前承認を得ることで高額決済に対応できます。年会費は49,500円(税込)です。
ダイナースクラブ ビジネスカード
ダイナースクラブも利用限度額に一律の制限を設けていません。カード会員ごとの利用状況に応じて個別に設定されます。グルメ優待やゴルフ優待などの付帯サービスも充実しており、接待が多い企業に適しています。年会費は33,000円(税込)です。
接待や商談の機会が多い方は、名刺入れなどの身の回りの小物も整えておくと安心です。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスも利用限度額に一律上限がないカードです。年会費33,000円(税込)で、プライオリティ・パスやJALマイル高還元など、コストパフォーマンスに優れた1枚です。

限度額が最大10億円の法人カード
近年注目を集めているのが、スタートアップ向けの高限度額カードです。
UPSIDERカード
UPSIDERカードは1か月あたりの利用限度額が最大10億円という設定が特徴です。年会費・発行手数料は無料で、公式サイトではリアルカード・バーチャルカードともに「発行枚数無制限」と案内されています(ただし「カード発行枚数は、当社都合により制限させて頂く場合がございます」との注記あり)。ポイント還元率は基本1.0%からです。公式サイトによると、同社が提供する全サービスの登録企業数は2025年11月時点で累計10万社を超えており、スタートアップを中心に普及が進んでいます。
リアルタイムで利用状況を確認できるダッシュボードや、カードごとの利用上限設定機能など、経費管理に便利な機能も充実しています。
バクラクビジネスカード
バクラクビジネスカードも高い限度額設定が可能で、与信枠の柔軟性に定評があります。経費精算ソフト「バクラク」との連携で経理業務を自動化できる点も魅力です。
限度額を引き上げるための具体的な方法
現在のカードの限度額に不満がある場合、以下の方法で引き上げを検討できます。
1. カード会社に増額申請をする:多くのカード会社では、電話やWebから利用限度額の増額を申請できます。審査に通れば限度額が引き上げられます。利用実績が良好であれば、増額が認められやすくなります。
2. カードのグレードアップ:一般カードからゴールド、ゴールドからプラチナへとグレードを上げることで、限度額の上限が大幅に拡大します。
3. 事前入金(デポジット):アメックスなどでは、事前にカード会社に入金しておくことで、一時的に利用可能額を引き上げる「事前入金」の仕組みがあります。
4. 複数枚のカードを使い分ける:1枚のカードの限度額を上げるのが難しい場合、複数の法人カードを併用して総枠を確保する方法もあります。
限度額に影響する審査のポイント
法人カードの限度額は、以下の要素を総合的に判断して設定されます。
- 会社の業績(売上・利益)と設立年数
- 代表者個人の信用情報(クレヒス)
- これまでのカード利用実績と支払い履歴
- 申込時に提出する決算書の内容
- 業種や事業内容
設立間もない企業の場合、最初は低い限度額でスタートすることが多いですが、毎月の利用と遅延のない支払いを続けることで、徐々に限度額が引き上げられていくのが一般的です。
申込時に提出する決算書の見方を知っておきたい方は、決算書の読み方を解説した本も参考になります。

限度額が高い法人カードを選ぶ際の注意点
- 限度額が高い=必ず高額利用できるわけではない
- 限度額を超えた利用は決済エラーになる
- 追加カードの利用分も本カードの限度額に含まれる
- 支払い日前に限度額に達した場合は、繰り上げ返済で枠を回復できることがある
追加カードを複数枚発行している場合、すべてのカードの利用合計が限度額の範囲内に収まる必要があります。社員にカードを持たせている企業は、カードごとの利用上限を設定できるカード(UPSIDERやバクラクなど)が管理しやすいでしょう。
よくある質問
Q. 設立直後でも限度額が高いカードは作れますか?
設立直後は限度額が低くなる傾向がありますが、三井住友カード ビジネスオーナーズは最大500万円の限度額が設定可能で、登記簿謄本不要で申し込めるため、設立間もない企業でも検討しやすいカードです。
Q. 限度額は自分で自由に設定できますか?
自分で自由に上げることはできませんが、限度額を「下げる」ことは可能です。不正利用防止のために、必要以上の限度額を持たないようにするのもリスク管理のひとつです。
Q. 一時的に大きな決済が必要な場合はどうすればいいですか?
カード会社に事前連絡して一時的な限度額引き上げ(テンポラリー増額)を申請する方法があります。アメックスの場合は事前入金(デポジット)で利用可能額を増やすことも可能です。

まとめ
限度額が高い法人カードが必要な場合は、アメックスビジネスゴールドやダイナースクラブのような「一律の限度額なし」のカードや、UPSIDERのような最大10億円のカードが有力な選択肢です。まずは自社に必要な月間利用額を把握し、余裕を持った限度額のカードを選びましょう。
限度額の詳細は申込後に個別審査で決まるため、気になるカードがあれば公式サイトで最新情報を確認してください。

