法人カードの申し込みなのに、なぜ代表者個人のことが見られるのか。この疑問はとてもよく聞かれます。答えは各社の公式サイトに書かれていて、三井住友カードは「法人の信用情報だけでなく、代表者の信用情報も確認されるため、どちらも健全であることが求められます」と説明しています。
とはいえ、その信用情報が具体的にどこに、何が、どのくらいの期間登録されているのかまで説明している記事はあまり見かけません。この記事では、日本にある信用情報機関の公式サイトで確認できる内容だけを使って、登録される情報とその期間、そして自分で開示して確認する手順を整理します。

信用情報機関は3つある
それぞれ加盟している会社が違う
日本には主に3つの信用情報機関があります。株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、そして一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する全国銀行個人信用情報センター(KSC)です。
CICとJICCは指定信用情報機関で、KSCは全国銀行協会が消費者信用の円滑化等を図るために設置・運営している個人信用情報機関だと、それぞれの公式サイトで案内されています。加盟している会社が機関ごとに異なるため、同じ人でも3機関に登録されている内容は同じとは限りません。
信用情報に含まれないもの
CICは公式サイトで、信用情報について「クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報です」と説明し、あわせて「信用情報には人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は、一切含まれません」と明記しています(出典:CIC CICが保有する信用情報/記事執筆時点)。
信用情報に登録されるのは、あくまでクレジットやローンの契約・申込み・支払状況という取引の事実です。それ以外の属性が記録されているわけではない、という点はCICが公式に明記しています。
クレジットやローンの仕組みそのものを基礎から知りたい方は、クレジットカードについて解説した本で全体像をつかんでおくのも一つの方法です。
CICに登録される情報と保有期間
CICは公式サイトで、登録される情報の種類ごとに保有期間を公表しています。期間が過ぎた情報は自動的に抹消されると案内されています。
| 情報の種類 | 内容 | 保有期間 |
|---|---|---|
| 申込情報 | 新規申込みで加盟会員が照会した事実 | 照会日より6ヶ月間 |
| クレジット情報 | 契約の内容や支払状況(異動の有無、異動発生日、延滞解消日などを含む) | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
| 利用記録 | 利用途上で加盟会員が照会した事実 | 利用日より6ヶ月間 |
| クレジット・ガイダンス情報 | CICが分析のうえ算出した指数と算出理由 | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
| 電話帳掲載情報 | 電話帳に掲載された内容 | 最終の記録年月より2.5年以内 |
| 協会依頼情報 | 貸付自粛制度を通じて登録を依頼した内容 | 登録日より5年以内 |
| 本人申告情報 | 本人がCICに申告した内容 | 登録日より5年以内 |
また情報の更新について、CICは「貸金業法に基づく登録情報」は日次で登録・更新され、その他は月次で登録・更新されると案内しています。支払いの状況が反映されるまでに時間差があるということです。
JICCに登録される情報と登録期間
個人の情報
JICCは公式サイトで、契約日が2019年10月1日以降の契約について、契約内容に関する情報と返済状況に関する情報の登録期間を「契約継続中及び契約終了後5年以内」と案内しています。取引事実に関する情報(債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等)も同様に契約継続中および契約終了後5年以内で、ただし債権譲渡の事実に係る情報は発生日から1年以内とされています。
申込みに関する情報は「照会日から6か月以内」、本人申告コメント情報は「登録日から5年以内」、貸付自粛依頼情報は「申請日から5年以内」と公表されています(出典:JICC 信用情報の内容と登録期間/記事執筆時点)。
法人の情報も登録されている
ここは法人カードを検討する方に特に知っておいてほしい点です。JICCは公式サイトで、会員会社から提供を受ける法人に関する信用情報の登録内容と登録期間も公表しています。法人を特定するための情報として法人名、代表者名、所在地、電話番号等が挙げられ、契約内容に関する情報と返済状況に関する情報は「契約継続中及び完済日から5年以内」とされています。
つまり代表者個人だけでなく、法人としての取引履歴も信用情報機関に記録されうるということです。

KSCに登録される情報と登録期間
全国銀行個人信用情報センターは、登録される個人信用情報とその登録期間を公式サイトで公表しています。各情報は登録期間の経過後に自動的に削除されると案内されています。
| 登録情報 | 登録期間 |
|---|---|
| 取引情報(契約内容と返済状況の履歴。入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む) | 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間 |
| 照会記録情報 | 当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間 |
| 官報情報(官報に公告された破産・民事再生手続開始決定) | 当該決定日から7年を超えない期間 |
| 本人申告情報 | 登録日から5年を超えない期間 |
| 貸付自粛情報 | 申告日から5年を超えない期間 |
官報情報の7年という期間は、3機関の中でも長めに設定されています。機関ごとに登録期間が違うということが、この表からもわかります(出典:全国銀行個人信用情報センター/記事執筆時点)。
全国銀行個人信用情報センターは公式サイトで「センターはお客さまのローン等に関する個人信用情報を登録し、会員に提供しておりますが、審査業務は一切行っておりませんので、審査結果の理由についてはわかりません」と案内しています。審査に落ちた理由を信用情報機関に問い合わせても回答は得られません。

審査に落ちた後の対応については「法人カードの審査に落ちた!原因と再申込で通過するコツ」、申し込み前の準備については「法人カードの審査に通りやすくするための対策|申し込み前に知っておくべきこと」もあわせてご覧ください。
自分で開示して確認する手順
3機関それぞれに申し込む必要がある
ここが見落とされやすい点です。全国銀行個人信用情報センターは公式サイトで、本人開示では提携個人信用情報機関との交流対象情報を確認することはできないとしたうえで、「(株)日本信用情報機構や(株)シー・アイ・シーに登録されている情報の開示は、それぞれの機関にお申込みください」と案内しています。1か所に申し込めば全部わかる、という仕組みではありません。
CICの開示
CICは情報開示の方法としてインターネットと郵送を案内しています。インターネット開示は手数料500円で、支払い方法としてPayPay、楽天ペイ、クレジットカード、キャリア決済が挙げられています。サービス日時は毎日8時から21時45分で、インターネットが使えるスマートフォン、契約に利用した発信番号を通知できる電話、申込み時点で有効なマイナンバーカードが必要とされています。
郵送開示は手数料1,500円で、コンビニエンスストアで購入する開示利用券(コンビニチケット)またはゆうちょ銀行で発行の定額小為替証書で支払い、申込みから1週間から10日ほどで開示報告書が発送されると案内されています(出典:CIC 情報開示とは)。なおクレジット情報・申込情報・利用記録は、それぞれ各50件までの開示とされています。
JICCの開示
JICCは開示の申し込みについて、本人による開示のほか、親権者・後見人、任意代理人、法定相続人等、そして法人代表者による開示を案内しています。法人に関する情報の開示を申し込めるのは、その法人の代表者またはその代理権を有する方に限られ、開示対象は申告した法人名、法人代表者氏名、電話番号のいずれもが一致した情報とされています。
KSCの開示
全国銀行個人信用情報センターのインターネット開示は、手数料800円で、マイナンバーカードを用いてウェブ上で本人確認を行う方式です。公式サイトでは、申込み後最短3営業日から5営業日ほどで開示できるとされ、即日の開示はできないと明記されています。開示報告書はダウンロード用URLの案内を受信してから10日以内に取得する必要があり、申込み情報は申込日から1か月後に削除されると案内されています。
- CIC インターネット開示:500円
- CIC 郵送開示:1,500円
- KSC インターネット開示:800円
JICCの手数料は、公式サイトに別途掲載されると規約に記載されています。金額は改定されることがあるため、申し込み前に各機関の公式サイトでご確認ください。
届いた開示報告書は、ほかの重要書類と一緒にファイルボックスで保管しておくと、次に開示したときに見比べやすくなります。
開示結果を見るときの視点と本人申告制度
まず見るのは自分の記憶との差
開示報告書を受け取ったら、契約したことを覚えていない取引がないか、支払状況の記録が自分の記憶と食い違っていないかを確認します。CICは開示報告書の見方についての説明資料も公開しています。
本人申告という制度
CICもJICCもKSCも、本人からの申告内容を登録する制度を設けています。CICは本人申告情報について、証明書の紛失など本人自身に関する情報を登録できる制度だと案内しており、保有期間は登録日より5年以内、本人からの申し出により期間内でも削除できるとしています。
身分証明書を紛失した場合や、同姓同名の別人と間違えられるおそれがある場合に使える仕組みです。KSCも同様の本人申告情報を扱っています。
財布の置き忘れに早く気づけるよう、紛失防止タグを財布に入れておくという方法もあります。

よくある質問
Q. 法人カードなのに代表者個人が確認されるのはなぜですか
三井住友カードは公式サイトで「法人の信用情報だけでなく、代表者の信用情報も確認されるため、どちらも健全であることが求められます」と説明しています。JCBも審査で確認されることとして代表者の属性情報や信用情報を挙げています。審査の詳しい項目は「法人カードの審査基準を解説|審査で確認される項目と通過するためのポイント」で扱っています。
Q. 個人事業主の場合も同じですか
三井住友カードは、個人が審査対象のカードについて「法人の信用情報が調べられることはありません」と説明しています。審査の対象が法人か個人かはカードによって異なります。個人事業主の申し込みは「個人事業主でも法人カードは作れる?おすすめカードと審査のコツ」もご覧ください。
Q. 開示は何歳から申し込めますか
JICCは利用規約で、自然人に関する情報についての開示の申し込みを満15歳以上の本人(またはその代理権を有する方など)に限ると定めています。
Q. 開示すると審査に影響しますか
本人開示は、本人が自分の情報を確認する制度です。CICは開示できる情報として申込情報と利用記録を挙げていますが、いずれも加盟会員が照会した事実の記録であり、本人による開示とは区別されています。
Q. 登録内容に誤りがあった場合はどうすればよいですか
信用情報を登録しているのは加盟している会社です。内容に疑問がある場合は、各信用情報機関の問い合わせ窓口に相談してください。全国銀行個人信用情報センターはフリーダイヤル0120-540-558(受付時間は月曜日から金曜日の午前9時から正午、午後1時から午後5時。12月31日から1月3日を除く)を案内しています。
Q. 一度登録された情報は消せますか
各機関とも、情報は登録期間の経過後に自動的に削除されると案内しています。期間内に任意で消せるのは、本人申告情報など本人の申し出によるものに限られます。
まとめ
法人カードの審査で代表者個人の信用情報が確認されるのは、カード会社が公式に説明していることです。そしてその信用情報は、CIC・JICC・KSCという3つの機関が、それぞれ異なる登録内容と登録期間で保有しています。
大事なのは、これらの内容がすべて公式サイトで公開されていて、自分で開示して確認できるという点です。手数料は数百円から千数百円、期間も数日から10日ほどで済みます。申し込みの前に自分の状態を把握しておけば、無用な不安も、闇雲な多重申込も避けられます。3機関それぞれに申し込む必要がある点だけ気をつけて、必要なときに活用してみてください。手数料や手続きの内容は改定されることがあるため、各機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。

