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法人カードが海外で使えないときの原因と対処|出発前に潰せる項目を整理

トラブル対応・各種手続き

出張先のホテルのフロントで、法人カードが通らない。日本では毎日問題なく使えているカードなのに、なぜここで止まるのか。海外でカードが使えなくなる理由は、日本国内で起きる「残高不足」や「枠オーバー」とはまったく別の層にあります。

大きく分けると、暗証番号の壁、カード会社側の不正検知、そして国や加盟店の側にある制限の3つです。どれも、出発前に手を打っておけば大半は防げます。この記事では原因を層ごとに整理し、渡航前のチェックリストと、現地で止まったときの動き方をまとめます。

なお海外での手数料や為替の換算ルールについては法人カードの海外利用手数料を比較|為替の換算ルールと確認すべき料率で詳しく扱っていますので、コストの話はそちらをご覧ください。

ナビ助
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海外で止まる理由って、日本にいるときとは全然ちがうんだ。出発前に潰せるものから見ていこう。

原因その1:暗証番号(PIN)が分からない

もっとも多く、そしてもっとも防ぎやすいのがこれです。

三井住友カードは「フランス、イギリス、アイルランドなどでは、カード利用の際に暗証番号の入力を求められるケースがほとんどであり、暗証番号がわからない場合は加盟店の判断によりクレジット利用を拒否されるなど、カードをご利用いただけない場合がありますのでご注意ください」と案内しています(出典:三井住友カード「海外でのご利用にあたって」)。

JCBも、ICカード利用が一般的な国・地域として、EU諸国・トルコ・中国・シンガポール・タイ・ベトナム・マレーシア・フィリピン・インドネシア・ニュージーランド・インド・ブラジル・香港・マカオ・メキシコ・アラブ首長国連邦・ヨルダンなどを挙げ、「暗証番号がご不明の方は利用できない場合があります」と案内しています。英語では暗証番号のことを主にPIN(Personal Identification Number)と呼ぶ、という説明もあります(出典:JCB「海外でのカードご利用について」)。

法人カードは、使用者本人が暗証番号を把握していないケースが多いのが厄介なところです。申し込みを経理がまとめて行い、カードだけ社員に渡している場合、本人は暗証番号を知りません。出張が決まった時点で、使用者本人が会員向けサイトから確認できる状態にしておいてください。

注意

暗証番号を紙にメモしてカードと一緒に持たせるのは避けてください。紛失時の補償の条件に、暗証番号の管理状況が含まれていることがあります。会員向けサイトで本人が確認できる導線を用意するのが安全です。

海外では、パスポートとカードをまとめて身につけておけるパスポートケースがあると、出し入れの際の置き忘れを防ぎやすくなります。スキミング防止機能付きのものを補助的に選ぶ方もいます。

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原因その2:カード会社の不正検知による一時停止

普段は日本国内でしか使われていないカードが、突然海外の加盟店で高額の決済に使われれば、不正利用のパターンに一致します。カード会社のモニタリングが働き、確認が取れるまで利用が止まることがあります。

これはカードを守るための仕組みなので、止まること自体は異常ではありません。問題は、連絡が取れずに止まったままになることです。海外にいると、登録している電話番号にかかってきた確認の連絡を取れないことがあります。

対処

  • 会員向けサイトに登録しているメールアドレスを、海外でも受信できるものにしておく
  • 利用通知サービスを有効にしておき、止まったことにすぐ気づける状態にする
  • カード会社の海外からの連絡先(コレクトコール対応の番号など)を控えて持っていく

原因その3:利用可能枠とは別の上限がある

JCBは海外でのカード利用全般について「海外では、お客様のカードご利用可能枠の範囲内であっても、ご利用の地域、業種などによってご利用金額の上限が設定されている場合があります」と案内しています。

つまり、枠が余っていても通らないことがあるということです。枠の残高だけを見て「使えるはず」と考えていると、原因の見当がつかなくなります。

海外ATMでのキャッシングについても、JCBは「海外では、国や個々の銀行によって、1回および1日に引き出せる上限額が決められている場合があります。この場合、お客様のカードのご利用可能枠にかかわらず、一定額以上の引き出しができません」と説明しています。

ナビ助
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「枠は残ってるのに通らない」って、けっこう起きるんだ。枠だけの問題じゃないんだよ。

原因その4:ホテルやレンタカーのデポジットで枠が押さえられている

ここは出張で特に効いてきます。

JCBは、カードでホテルを予約する場合のキーワードとして「予約金・保証金:Advance Deposit(アドバンスデポジット)」を挙げ、「ご予約時に1泊分に相当する金額をホテルが先に請求するものです」と説明しています。レンタカーについても、返却後に自動車任意保険料・乗り捨て料・ガソリン代・駐車場代・修理代・交通違反反則金などが後日請求される場合があるとしています。

チェックイン時にホテルが与信枠を押さえる運用も広く行われています。宿泊費の数倍の金額が一時的に押さえられると、その分だけ他の支払いに使える枠が減ります。出張が長期になるほど、この積み重ねで枠が足りなくなるという構造です。

ポイント

長期出張や複数都市を回る出張では、ホテル用と経費用でカードを分けると枠の取り合いを避けられます。2枚持ちの組み合わせ方は法人カードの2枚持ちで組む組み合わせパターンにまとめました。

複数のカードと現地通貨を分けて持ち歩く場合は、仕切りの多いトラベルポーチを使うと、支払いのたびの出し入れがしやすくなります。

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原因その5:そもそもそのブランドが使えない

使える場所を決めているのは、発行会社ではなく国際ブランドです。渡航先でどのブランドの加盟店が多いかは地域によって差があります。ブランドと発行会社の役割の違いは法人カードの国際ブランドはどう選ぶか|使える場所を決めるのはブランド、特典を決めるのは発行会社で整理しています。出張が多い会社なら、主要ブランドを2つ持っておくのが実務的です。

原因その6:通信エラーと端末側の問題

JCBは「現地のクレジットカード用回線の通信事情などにより、通信エラーとなって一時的に利用できない場合があります。このため、万が一クレジットカードが利用できない場合に備えた準備をお願いします」と案内しています。

また海外ATMについては「日本ではカードを水平に挿入するATMが一般的ですが、海外ではカードをATM機のカード読取装置に縦または横方向にスライドさせ、すぐに抜き取るタイプの機種が一般的です。日本で発行されているカードは、海外ではATMの機種により利用できない場合があります」との説明もあります。

券面そのものの不具合(磁気不良やICチップの接触不良)の可能性もあります。出発前に国内で1回使ってみて、正常に決済できることを確認しておくと安心です。不具合があった場合の再発行については法人カードの再発行にかかる日数と手数料|事由と申込経路で変わる仕組みを整理をご覧ください。

原因その7:本人認証のワンタイムパスワードが受け取れない

渡航先からオンラインで予約や決済をするとき、本人認証サービスのワンタイムパスワードがSMSで送られてくることがあります。日本の携帯番号あてに送られるため、現地SIMに入れ替えていると受け取れません。ローミングを有効にしておくか、認証方法をアプリ経由に変更できるかを出発前に確認してください。

本人認証やカード会社からの連絡をスマートフォンで受ける場面が多いため、出張中の電池切れに備えてモバイルバッテリーを持っておくと安心です。

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渡航前チェックリスト

確認項目 誰がやるか
暗証番号を使用者本人が把握しているか 使用者
有効期限が出張期間中に切れないか 経理
利用可能枠に余裕があるか 経理
利用通知が有効になっているか 使用者
海外からの連絡先を控えたか 使用者
SMSを海外で受信できるか 使用者
ブランドの違うカードを2枚持ったか 経理・使用者
現金を最低限持ったか 使用者

外務省は海外渡航者向けに「海外安全ホームページ」で渡航先の安全情報を公開しており、短期渡航者向けの「たびレジ」への登録も案内しています(外務省 海外安全ホームページ)。出張の準備としては、カードの確認とあわせて渡航先の情報も見ておいてください。

渡航先によってはコンセントの形状が日本と異なるため、スマートフォンやパソコンを充電する変換プラグも準備リストに加えておくと安心です。

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ナビ助
ナビ助
チェックリストを出張申請の様式に組み込んじゃうのがおすすめ。人の記憶に頼らなくてよくなるよ。
ナビ助
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現地で慌てないコツはひとつ。「使えない前提の予備」を必ず1つ持っていくことだよ。

現地で使えなかったときの動き方

  1. 別の支払方法に切り替える:まず場をしのぎます。別ブランドのカードか現金です。
  2. 加盟店側の問題かを確認する:他のカードなら通るか、他の端末なら通るかを試します。
  3. カード会社に連絡する:会員向けサイトかアプリで状況を確認し、必要ならカード会社に連絡します。不正検知で止まっているだけなら、確認が取れれば解除されます。
  4. ブランドの緊急サービスを使う:紛失や盗難の場合は、ブランドや発行会社が用意している海外向けの窓口が使えることがあります。手順は法人カードを紛失したら?すぐやるべき対応手順と再発行の流れにまとめています。

よくある質問

Q. 渡航前にカード会社へ「海外で使う」と連絡したほうがいいですか。

事前連絡の受付をしているかどうかは会社によって異なります。会員向けサイトのお問い合わせ窓口で確認してみてください。受け付けている場合、不正検知で止まる可能性を下げられます。

Q. 現地通貨と日本円のどちらで払うか選べます。どちらがいいですか。

三井住友カードは「日本円を指定した場合、その場で支払金額を確定できるメリットがありますが、お店が決定した為替レートで日本円に換算されることから、弊社で日本円に換算する場合に比べて割高になる可能性がありますのでご注意ください」と案内しています。詳しくは法人カードの海外利用手数料を比較|為替の換算ルールと確認すべき料率をご覧ください。

Q. 帰国後に、身に覚えのない請求が来ました。

ホテルのレイトチャージやレンタカーの追加請求という可能性があります。三井住友カードは、レンタカーについて「スピード違反などの罰金の場合には、レンタカーのご利用から数ヵ月後に請求される場合もあります」と案内しています。確認の順番は法人カードに身に覚えのない請求があったら|確認の順番と異議申立ての進め方で整理しています。

Q. 追加カードでも海外で使えますか。

使用者名義のカードとして発行されているものであれば使えます。ただし暗証番号は使用者ごとに設定されているため、本人が把握している必要があります。

Q. ETCカードは海外で使えますか。

ETCカードは日本国内の有料道路の通行料金を精算するための専用カードです。ETCによる通行料金支払い以外の用途には使えません。

Q. タッチ決済なら暗証番号は不要ですか。

少額であれば暗証番号なしで通ることがありますが、金額の上限は国や加盟店によって異なり、上限を超えると暗証番号やサインを求められます。タッチ決済の対応状況の見分け方は法人カードのタッチ決済ガイド|対応の見分け方と選ぶときの確認ポイントで扱っています。

まとめ

海外で法人カードが使えなくなる原因は、暗証番号が分からない、不正検知で止まっている、地域や業種ごとの上限に当たっている、デポジットで枠が押さえられている、ブランドが使えない、通信や端末の問題、本人認証のSMSが受け取れない、というあたりに集約されます。

このうち大半は、出発前の確認で潰せます。特に暗証番号を使用者本人が把握しているかどうかは、法人カード特有の落とし穴です。出張申請の様式にチェック欄を作ってしまうのが、いちばん確実な対策になります。各社の案内内容は変わることがあるため、渡航前には発行会社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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